相続関連

【2030年版】相続手続き

Nose Kohei

はじめに

現在から近未来にかけて、相続はテクノロジーの進化や社会の変化が相続のあり方にも影響を与えると考えられます。例えば、デジタル資産の管理や遺言のデジタル化、AIを活用した相続手続きの自動化などが挙げられます。

デジタル資産の相続

デジタル資産とは

インターネット上で管理される資産のことを指し、暗号資産(仮想通貨)、電子マネー、クレジットカードのポイント、オンライン上の著作物(著作権)、NFTアート、ネット銀行やネット証券の口座などが含まれます。

相続の対象

亡くなった人が保有していたデジタル資産は、原則として相続の対象となります。これには、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれることがあります。

相続手続き

デジタル資産の相続手続きは、一般的な遺産の手続きと基本的に同じです。遺言書の確認、相続財産および相続人の確定、遺産分割協議、調停、審判、遺産の名義変更、相続税の申告や納付などのステップが含まれます。

注意点

デジタル資産は物理的な証拠が少ないため、相続人がその存在に気づかないことがあります。また、アクセス情報(IDやパスワード)が不明であると、相続人が資産を引き継ぐことが困難になる可能性があります。

生前の準備

デジタル資産の管理情報(サービス名、ID、パスワードなど)を整理し、家族がアクセスできるようにしておくことが推奨されます。これにより、相続時にスムーズに資産を引き継ぐことができます。

AIによる手続きの効率化

AIによる相続税申告書の作成

AIを活用した無料の相続税申告書作成ソフトが登場しています。これにより、相続税申告に必要な各種書類を集め、遺産の分け方を決めた後、AIによるソフトウェアで情報を入力し、申告書を出力することができます。このプロセスは、相続税申告の難しい計算をAIが行い、ユーザーは画面に従って入力するだけで済むため、非常に効率的です。

税務調査のデジタル化

国税庁は税務行政のデジタル・トランスフォーメーションを進めており、AIやデータ分析を活用して税務調査を行う方向性を示しています。これにより、申告内容の自動チェックや申告漏れの可能性が高い納税者の判定などがAIによって行われるようになります。

AI-OCRの活用

AI-OCR(光学文字認識)技術を用いて、相続手続きに関する書類の読取自動化が進んでいます。これにより、書類準備の手間が削減され、業務効率が向上します。

遺言のデジタル化

デジタル遺言制度の導入

政府は自筆証書遺言のデジタル化に向けて検討を進めており、遺言書を電子的な方法で作成・保管できる制度の導入が検討されています。

本人確認と真意性の確保

デジタル遺言制度では、本人確認や真意の確認を電子的な手段で行うことが重要です。これには、電子署名や複合認証などのデジタル技術が活用されることが予想されます。

紛失や改ざんのリスク低減

デジタル遺言は、紙の遺言書と比べて紛失や改ざんのリスクを抑えることができます。ブロックチェーン技術などを利用して、遺言書の安全性を高めることが期待されます。

終活のデジタル完結

デジタル遺言の普及により、遺言だけでなく終活全体をオンラインで完結できるようになる可能性があります。これにより、地域による格差を解消し、より多くの人が遺言書を作成できるようになるでしょう。

まとめ

これらの進展は、相続手続きをより迅速かつ正確に行うためのものであり、相続に関する専門家の役割も変化することでしょう。AIと自動化の進化により、相続プロセスがよりスムーズで透明性の高いものになることが期待されます。ただし、これらの技術を利用する際には、適切な法的枠組みの中で行う必要があり、個人情報の保護やセキュリティ対策も重要な考慮事項です。

相続のプロセスがより複雑になる一方で、テクノロジーの活用により、よりスムーズで透明性の高い相続が実現する可能性があります。

相続手続きを専門とする当行政書士事務所では、AIが普及する現代において「の価値」と「AIとの共生」が重要であると考えております。お客様に寄り添った上で、迅速かつ正確な手続きを進めてまいります。

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この記事を書いた人
野瀬 航平
野瀬 航平
株式会社アンモライト代表取締役/ノア行政書士事務所代表
1995年3月生。中学校教員を勤めた後、学生時代のアルバイト先へUターン。日本一のカラオケ企業を志すも失敗。▶不動産業で再スタートし、大手賃貸仲介・管理会社から、士業連携の売買仲介・コンサル会社を経て起業。▶相続放棄された地方の空き家を再生し、利回り30%で運用中。■保有資格: 行政書士/宅地建物取引士/FP2級/賃貸不動産経営管理士 ■第35回SASUKE出場
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