公正証書遺言の書き方
公正証書遺言は、遺言者の意思を法的に確実に残す方法の一つです。公証人が遺言の作成に立ち会い、遺言者の意思を正確に記録することで、遺言の信頼性を高めます。ここでは、公正証書遺言の書き方について詳しく解説します。
公正証書遺言とは
公正証書遺言は、公証人が作成する遺言書で、遺言者の意思が正確に記載され、法的な効力を持つ文書です。自筆証書遺言と異なり、公証人が遺言の作成に立ち会い、遺言者の意思を正確に記録することで、遺言の信頼性を高めます。ここでは、公正証書遺言の書き方について詳しく解説します。
法的な保証
公正証書遺言は公証人が作成するため、法的な効力が強く、形式上の不備で無効になる可能性が低いです。
紛失・改ざん防止
遺言書が公正役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がありません。
検認手続き不要
相続が発生した際に、家庭裁判所での検認手続きが不要になり、相続手続きが迅速に進みます。
公正証書遺言のデメリット
手続きに時間がかかる
証人を探す必要があるため、手続きに時間がかかることがあります。
費用がかかる
公証人に手数料を支払う必要があり、費用がかかります。最低でも16,000円以上はかかるとされています。
遺言内容を知られる
公証人や証人に遺言内容を知られるため、プライバシーに関する懸念があります。
公正証書遺言の作成手順
1. 公証人を選ぶ
公正証書遺言を作成するには、まず公証人を選びます。公証役場や公証人の事務所に相談し、遺言作成の予約をします。
2. 必要書類を準備する
公証人によって必要な書類は異なりますが、一般的には身分証明書や戸籍謄本などが必要です。
3. 遺言の内容を決める
財産の分配や相続人の指定など、遺言の内容を事前に決めておきます。
4. 公証人との面談
公証人との面談を通じて、遺言の内容を詳細に説明し、公証人が遺言書の草稿を作成します。
5. 遺言書の作成
公証人が遺言書の草稿をもとに、正式な遺言書を作成します。
6. 遺言書の署名と押印
遺言者は、公証人と証人の前で遺言書に署名し、押印します。
7. 遺言書の保管
公証人は遺言書を公証役場に保管し、遺言者には保管証明書が交付されます。
注意点
- 遺言の内容: 遺言の内容は、遺言者の意思に基づくものでなければなりません。
- 証人の要件: 証人は成年で、遺言者の意思決定に影響を与えない第三者である必要があります。
- 費用: 公正証書遺言の作成には、公証人手数料がかかります。
公正証書遺言の作成にかかる時間は?
公正証書遺言の場合は、公証役場での手続きや公証人との打ち合わせが必要となるため、通常は1ヶ月から2ヶ月程度かかることが一般的です。
ただし、これはあくまで一般的なケースであり、個々の状況によって期間は前後する可能性があります。例えば、必要書類の収集に時間がかかる場合や、遺言の内容について慎重に検討する必要がある場合などは、もう少し時間がかかることも考えられます。また、遺言者の状況や専門家のスケジュールによっても変動します。
公正証書遺言の費用
内訳
公正証書遺言の費用は、主に以下のように構成されます。
- 公証人手数料: 遺言の目的である財産の価額に応じて定められています。
- 遺言加算: 全体の財産が一定額以下の場合、加算される手数料があります。
- 原本、正本、謄本の作成費用: 遺言書の各コピーに対する手数料が必要です。
- 出張費用: 公証人が遺言者の居場所に出向く場合、追加の費用が発生します。
具体的な手数料
公正証書遺言の作成にかかる手数料は、財産の価額によって異なります。例えば、財産の価額が100万円以下の場合、基本手数料は5,000円から始まります。財産の価額が増えるにつれて、手数料も増加します。
追加費用
遺言者が病床にあり、公証役場に赴けない場合、公証人が病院や自宅に出向く必要があります。この場合、手数料に50%加算されるほか、公証人の日当と交通費が必要になります。
証人の費用
公正証書遺言を作成する際には、証人が必要です。証人には日当が発生することがあり、これも費用に含まれます。
まとめ
公正証書遺言は、遺言者の意思を確実に残すための有効な手段です。遺言の作成には、公証人の専門的な知識とサポートが必要です。遺言書の作成に関して不明点がある場合は、公証役場や専門家に相談することをお勧めします。より正確な時間の見積もりや効率的なプロセスのアドバイスを受けることができるためです。
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