LPガスの基本とその利用メリット

LPガスとは？

LPガス、または液化石油ガス（LPG）は、プロパンやブタンを主成分とするガスで、加圧や冷却によって液化しやすい特性を持っています。家庭での給湯や調理、暖房などに使用されるほか、工業用途や自動車の燃料としても利用されています。LPガスは無色無臭で、安全対策として特有の臭いが付加されています。また、環境に優しいエネルギー源としても評価されており、燃焼時には二酸化炭素の排出量が少なく、SOxやNOxなどの有害物質の発生も少ないです。

LPガスのメリットとデメリット

メリット

LPガス（液化石油ガス）の利点はいくつかありますが、主なものを以下にまとめました。

1. 全国どこでも利用可能: LPガスはボンベで配送されるため、都市ガスの供給エリアに限らず、日本全国どこでも使用できます。
2. 災害に強い: 分散型エネルギーとして、災害時にも迅速な復旧が可能です。地震などの際には、都市ガスよりも早く復旧することが多いです。
3. 高い発熱量: LPガスは天然ガスに比べて発熱量が高く、少ない量で効率的に熱を生み出すことができます。これにより、料理などで高火力が求められる場面で有利です。
4. 環境に優しい: LPガスは燃焼時に二酸化炭素の排出量が少なく、SOxやNOxなどの有害物質の発生も少ないため、クリーンなエネルギー源として評価されています。

これらの利点により、LPガスは多くの家庭やビジネスで重宝されています。特に、都市ガスの供給がない地域や災害リスクが高い地域では、LPガスが重要なエネルギー源となっています。

デメリット

LPガス（液化石油ガス）のデメリットには以下の点が挙げられます。

1. ガス料金が高い: LPガスは都市ガスに比べて料金が高めです。これは、LPガスがボンベで配送されるため、運搬費や人件費が料金に上乗せされることが原因です。
2. 契約の自由度が低い: 借家や集合住宅に住んでいる場合、自分でガス会社を選ぶことができないことがあります。大家さんが指定するガス会社と契約する必要があるため、料金やサービスに関して選択肢が限られることがあります。
3. ボンベを置くスペースが必要: LPガスを使用するには、ボンベを設置するスペースが必要です。特に都市部の狭い住宅では、スペースの確保がデメリットとなることがあります。

これらのデメリットを考慮しつつ、LPガスの利便性や災害時の強さなどのメリットも合わせて評価することが重要です。また、ガス会社によっては料金プランが異なるため、比較検討して選びましょう。

LPガスの安全性

LPガス（液化石油ガス）は、適切に取り扱いと管理が行われていれば、非常に安全なエネルギー源です。以下はLPガスの安全性に関するいくつかのポイントです。

1. 毒性が低い: LPガスは一般に毒性がなく、無色無臭です。家庭用にはガス漏れ感知のために臭いをつけており、万一漏れても臭いで気づけます。
2. 自動的な安全装置: LPガスのメーターには、万一のガス漏れや災害時に自動的にガスをストップする機能があります。
3. 事故発生率が低い: 現在、家庭・業務用約2,500万世帯でLPガスが利用されていますが、LPガスに起因する事故発生率はわずか0.00082％という極めて低い数値です。
4. 適切な使用と保守: LPガスの安全性は、消費者の使い方にも由来します。ガス器具の安全チェックを心掛け、定期的な保安点検を受けることが重要です。
5. 教育と情報提供: LPガス販売店は保安業務を行い、使用上の注意を定期的にパンフレットなど文書で連絡し、緊急時の対応や供給開始時の点検などを行います。

これらの措置により、LPガスは日本の多くの家庭やビジネスで安全に使用されています。ただし、ガス漏れや不完全燃焼などの事故を防ぐためには、正しい使用方法を守り、定期的なメンテナンスを行うことが不可欠です。

都市ガスとLPガスの料金比較

都市ガスとLPガス（プロパンガス）の料金は、一般的にLPガスの方が高いとされています。具体的な料金差は地域や使用量によって異なりますが、以下の情報に基づいて概要を説明します。

これらの数字はあくまで一例であり、実際の料金はガス会社や契約内容によって変わる可能性があります。また、LPガスの料金は供給コストが高いことが主な理由で、ボンベでの配送や人件費などが料金に反映されています。都市ガスとLPガスの料金比較を検討する際は、自宅の地域や使用量に応じた正確な見積もりを取ることをお勧めします。また、料金だけでなく、サービス内容や安全性なども総合的に比較検討することが重要です。

LPガス業者の選び方のポイント

LPガス業者を選ぶ際のポイントは、料金、サービス、安全性の3つの観点から判断することが重要です。以下に具体的なポイントをまとめました。

1. 料金を公表しているか確認する: 透明性のある料金体系を持つ業者を選びましょう。料金が明確に公表されているかをチェックします。
2. 地域の相場と料金を比較する: 自宅の地域におけるLPガスの相場を調べ、業者の料金が適正かどうかを比較します。
3. 料金の変動について明確な説明があるか確認する: 値上げの理由や料金変動の条件が明確に説明されている業者を選びます。
4. 特典の有無や詳細を確認する: 特典やキャンペーンがある場合、その内容と条件を確認します。
5. サポート体制を確認する: 顧客サポートやアフターサービスが充実しているかどうかを確認します。
6. 安全管理が行われているか確認する: 安全対策や保安体制が整っている業者を選びます。
7. 解約時の取り決めについて確認する: 契約解除時の条件や違約金があるかどうかを確認します。

これらのポイントを参考に、信頼できるLPガス業者を選ぶことができます。また、業者比較サービスを利用することで、効率的に情報を収集し、自分に合った業者を見つけることも可能です。

法制度の改正とLPガスの未来

日本におけるLPガス（液化石油ガス）の法制度改正については、以下のような主要な変更があります：

• 過大な営業行為の制限：正常な商慣習を超えた利益供与の禁止や、消費者の事業者選択を阻害するおそれのある条件付き契約締結等の禁止が2024年7月2日から施行されます。
• 三部料金制の徹底：基本料金、従量料金、設備料金からなる三部料金制の徹底が2025年4月2日から施行され、LPガス消費と関係のない設備費用のLPガス料金への計上が禁止されます。
• 情報提供の義務化：入居希望者へのLPガス料金の事前提示の努力義務が2024年7月2日から施行されます。

これらの改正は、消費者の選択を支援し、透明性を高めることを目的としています。

一方で、LPガスの未来に関しては、以下のような展望が示されています：

• 安定供給の確保：供給ソースの多様化を進め、LPガス品質と安全の維持・確保を図る。
• 災害時の対応強化：分散型エネルギーとしての強みを活かし、災害時における「最後の砦」として人々の暮らしを支える。
• 環境への貢献：CO2排出原単位が低い環境特性を活かし、地球温暖化対策に貢献しつつLPガスの需要拡大を目指す。

これらの取り組みは、LPガスが持続可能なエネルギー源としての役割を果たし続けるための方策として位置づけられています。法制度の改正は、このような未来への展望と連動して、業界の健全な発展と消費者保護を目指していることがわかります。

まとめ

LPガスは、その利便性と経済性により、多くの家庭で重宝されています。また、法制度の改正により、より透明で公正な取引が期待されており、消費者の利益が守られるようになりました。今後もLPガスは、エネルギー源としての重要な役割を担い続けるでしょう。

弊社は空き家専門の不動産会社です。お客様のご要望に合わせた「安心」「丁寧」なサポートを心がけております。空き家に関するお悩みがある方、LPガスへの切り替えをお考えの方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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野瀬 航平

株式会社アンモライト代表取締役/ノア行政書士事務所代表

1995年3月生。中学校教員を勤めた後、学生時代のアルバイト先へUターン。日本一のカラオケ企業を志すも失敗。▶不動産業で再スタートし、大手賃貸仲介・管理会社から、士業連携の売買仲介・コンサル会社を経て起業。▶相続放棄された地方の空き家を再生し、利回り30%で運用中。■保有資格: 行政書士/宅地建物取引士/FP2級/賃貸不動産経営管理士 ■第35回SASUKE出場