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知らないと損する!?遺留分とは何か

相続
Nose Kohei

遺留分とは

遺留分とは、故人の遺言に関わらず、法律で保障される特定の相続人が最低限受け取ることができる遺産の割合です。遺留分は、相続人が故人の意思に反しても請求できる権利を持っており、これにより相続人の経済的基盤が守られます。

遺留分の対象となるのは、直系血族配偶者です。これには子どもや配偶者が含まれ、兄弟姉妹には遺留分の権利はありません。

遺留分の計算方法

遺留分の計算方法は以下の手順で行います:

  1. 遺留分権利者を確定する: 遺留分権利者は、兄弟姉妹以外の相続人であり、配偶者直系尊属に遺留分が認められています。相続放棄や相続欠格・廃除によって相続権を失った人は遺留分権も失います。
  2. 遺留分の割合を確認する:
    • 総体的遺留分は、直系尊属のみが相続人である場合は相続財産の3分の1であり、その他の場合は2分の1です。
    • 個別的遺留分は、遺留分権利者が複数いる場合に、総体的遺留分に法定相続分を乗じた割合です。
  3. 基礎となる財産を確定する: 相続開始時に被相続人が有していた財産(遺贈を含む)の価額に、贈与した財産の額を加えて、その中から債務全額を控除します。
  4. 基礎となる財産を評価する:
    • 不動産、預貯金、現金、株式、債権などの評価を行います。
    • 遺贈、死因贈与、生前贈与の有無を調査し、その財産価格の評価を経て、控除されるべき債務を確認します。

遺留分侵害請求権とは

遺留分侵害請求権とは、法定相続人が、遺言や生前贈与によって自分の遺留分が侵害されたときに、遺留分を侵害した相続人や受遺者、受贈者に対して、侵害された遺留分に相当する金銭の支払いを請求できる権利です。

この権利は、相続人が故人の遺言によって遺留分が減少した場合や、故人が生前に特定の相続人に対して大きな贈与を行ったことで遺留分が侵害された場合に行使することができます。遺留分侵害額請求権は、相続人が自らの法定相続分を守るための重要な手段となります。

遺留分侵害請求の期限

遺留分侵害額請求権の行使には、相続開始を知った日から1年以内、または相続開始から10年以内に行う必要があります。この期間を過ぎると、時効により権利が消滅するため、早めの対応が求められます。遺留分侵害額の算定方法や請求の手続きについては、専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。適切な手続きを行うことで、相続人は自分の権利を守ることができます。

遺留分侵害請求の方法

遺留分侵害請求の方法については、以下の手順で進めることが一般的です。

  1. 相続人や関係者との交渉: まずは相続人や関係者と話し合いを行い、遺留分の問題を解決しようと試みます。
  2. 内容証明郵便の送付: 交渉がうまくいかない場合は、内容証明郵便を使って遺留分侵害額の請求を行います。これにより、時効の停止を図ることができます。
  3. 調停の申し立て: 内容証明郵便による請求に対しても応じない場合は、家庭裁判所調停を申し立てます。調停では、双方の事情を聴き、解決案を提示して問題を解決しようとします。
  4. 訴訟の提起: 調停で解決しない場合は、訴訟を提起して法的に遺留分侵害額の支払いを求めます。

遺留分侵害請求は複雑な手続きが伴うため、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。適切な手続きを行うことで、相続人は自分の権利を守ることができます。

遺留分は放棄できるのか

遺留分は放棄することが可能です。遺留分の放棄には二つの方法があります:

  1. 生前の遺留分放棄: 相続人は、被相続人の生存中に家庭裁判所の許可を得て遺留分を放棄することができます。この手続きには、申立書の提出や裁判所による審査が必要で、一定の費用がかかります。
  2. 死後の遺留分放棄: 相続開始後に、相続人が遺留分侵害額請求を放棄することも可能です。この場合、特に法律上の規定はなく、自由に行うことができます。

遺留分の放棄は重要な決断であり、一度放棄すると撤回することはできません。したがって、遺留分を放棄するかどうかは十分に検討が必要です。

遺留分を放棄する理由

以下の理由で、遺留分を放棄する場合があります。

  1. 調和と家族関係の維持: 遺留分を放棄することで、家族間の対立を避け、調和を保つことができます。相続問題は感情的な問題でもあり、遺留分をめぐる争いは家族の絆を傷つけることがあります。
  2. 経済的な理由: 遺留分を受け取ることで、相続税や手続きに伴う費用が発生する場合があります。放棄することでこれらの負担を軽減できることがあります。
  3. 遺言書に従う意思: 故人の遺言書に従い、遺留分を放棄する場合があります。遺言書には故人の意思が記されており、それに従うことが尊重されます。
  4. 他の相続人への配慮: 遺留分を放棄することで、他の相続人により多くの財産を残すことができます。家族の中で特定の相続人に対する思いやりを示す場合もあります。

まとめ

遺留分は、相続人の経済的基盤を守るための重要な権利です。遺言によっても保護されるべき特定の相続人の権利であり、これを侵害することはできません。遺留分の計算方法や請求方法を理解し、適切な手続きを行うことが重要です。

遺言・相続専門の当行政書士事務所では、街の身近な法律家としてお客様に寄り添い「安心」「丁寧」なサポートを心がけております。遺言・相続についてお悩みのある方は、お気軽にお問合せくださいませ。

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この記事を書いた人
野瀬 航平
野瀬 航平
株式会社アンモライト代表取締役/ノア行政書士事務所代表
1995年3月生。中学校教員を勤めた後、学生時代のアルバイト先へUターン。日本一のカラオケ企業を志すも失敗。▶不動産業で再スタートし、大手賃貸仲介・管理会社から、士業連携の売買仲介・コンサル会社を経て起業。▶相続放棄された地方の空き家を再生し、利回り30%で運用中。■保有資格: 行政書士/宅地建物取引士/FP2級/賃貸不動産経営管理士 ■第35回SASUKE出場
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