シロアリの基礎知識と対策

シロアリ
Nose Kohei

シロアリとは?

シロアリは、自然界では倒木などを分解して土に還す重要な役割を持つ益虫です。しかし、住宅に被害を与える害虫としても知られています。シロアリはゴキブリの仲間であり、黒アリとは異なる生物です。

日本に生息する住宅に被害を与える主なシロアリは、イエシロアリ、ヤマトシロアリ、そして外来種のアメリカカンザイシロアリです。これらは住宅の木材や断熱材を食べ、建物の寿命に関わる被害を与えます。

シロアリがもたらす被害

シロアリ被害には様々な形がありますが、主に以下のようなものが挙げられます。

  1. 建物の構造的な損傷: シロアリは木材を食べることで、家屋の柱や梁などの構造部分を弱らせ、最終的には建物の倒壊につながる危険性があります1
  2. 断熱材や床下の損傷: 床下の断熱材や防湿シートなどもシロアリの被害に遭いやすく、これにより家屋の断熱性や防湿性が低下します。
  3. 家具や内装の損傷: シロアリは家具や床板、壁紙などの内装材にも被害を及ぼし、見た目だけでなく機能性にも影響を与えます。
  4. 電気配線の損傷: 稀ですが、シロアリが電気配線をかじることで、ショートや火災の原因となることがあります。
  5. 不快感や衛生問題: シロアリの存在は見た目にも不快であり、アレルギーの原因となることもあります。また、シロアリの糞や死骸は衛生的な問題を引き起こすことがあります。

これらの被害を防ぐためには、定期的な点検と適切な予防措置が重要です。早期発見と対策が、シロアリ被害を最小限に抑える鍵となります。

シロアリ被害の兆候

シロアリ被害の兆候は、早めに発見して対策を講じることが重要です。以下はシロアリ被害の初期症状や前兆です。

  1. 蟻道(ぎどう): シロアリが作る空気や光を避けるためのトンネル状の道で、土や糞でできています。床下の基礎や建物外周部の杭などで見かけることがあります。
  2. 床の沈みや扉の閉まりにくさ: シロアリが住宅の柱や基礎、板などを食害するため、床を支える土台が弱くなり、床が沈んだり扉が閉まりにくくなることがあります。
  3. 壁や柱を叩くと軽い音がする: シロアリが内部を食害しているため、壁や柱を叩くと中が空洞になっているような軽い音がします。

これらの兆候が見られた場合、早めに専門家に相談し、適切な対策を講じることをおすすめします。

シロアリ被害の原因

白アリ被害の原因は主に以下の要因によって引き起こされます。

  1. 湿度が高い環境: 白アリは湿度の高い場所を好むため、湿気が多い場所では白アリが発生しやすくなります。特に床下や水回りなどの湿度が高い場所は注意が必要です。
  2. 木材の腐朽: 腐った木材や腐朽菌が繁殖している木材は、白アリにとって魅力的な食料源となります。建物の老朽化や雨漏りなどで木材が濡れて腐ると、白アリの被害に遭いやすくなります。
  3. 日陰や直射日光を避けられる環境: 白アリは直射日光を避けるため、日陰になる場所や家屋の隙間など、暗くて湿った環境に巣を作りやすいです。
  4. 家屋の断熱性能向上: 現代の住宅は断熱性能が高いため、内部が湿気を保ちやすく、白アリが生息しやすい環境を作り出してしまうことがあります。
  5. 庭や家屋周辺の廃材: 庭に放置された木材や段ボール、発泡スチロールなども白アリのエサとなり、これらが家屋に隣接している場合、そこから家の中へ侵入することもあります。

これらの原因を理解し、適切な予防策を講じることで、発生リスクを減らすことができます。例えば、定期的な住宅の点検や、湿気対策、庭の整理整頓などが有効です。

シロアリ被害の予防と対策

シロアリ被害を未然に防ぐためには、以下のポイントを意識して対策を行うことが重要です。

  1. 外壁沿いに物を置かない(風を通す): 外壁に沿って設置された物置や荷物は、外壁と荷物の間が光の届かない環境となり、湿気もこもりやすくシロアリが好む環境が再現されます。壁沿いに物を置かず、空気が流れる状態にして乾燥を心がけましょう。
  2. 基礎通気孔を塞がない: 建物のコンクリート基礎に通気孔(換気口)が設置されている場合、通気孔を塞がないことが大切です。物置や鉢などの荷物で通気孔を塞いでしまうと床下の換気が滞り、シロアリの好む高湿度な状態となってしまう可能性があります。
  3. 植栽などで基礎を覆わない: 雑草などで基礎が覆われてしまうと、基礎を確認することができなくなります。物を設置しないのと同じで、植栽で基礎を隠すことがないように注意しましょう。
  4. シロアリのエサ「木材」を置かない: シロアリは木を食べる害虫として恐れられています。切り株や枯れた樹木、木の杭などはシロアリのエサとなるため、庭や外壁周り、車庫などにある木材はできるだけ撤去しておきましょう。
  5. 庭にある土に触れる物に気を付ける: 特に鉢植えなどは、土中からシロアリが這い上がってくることがあります。トレリス(植物をからませる格子状のスクリーン)やウッドデッキは防腐や防蟻効果のあるものに取り換えるとよいでしょう。

これらの対策を実践することで、シロアリ被害を未然に防ぐことができます。

シロアリ駆除にかかる費用

シロアリ駆除にかかる費用は、家の広さや被害の程度、選択する駆除方法によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

  • バリア工法: 床下に薬剤を散布する方法で、1坪あたり約6,000円〜10,000円程度が相場です。
  • ベイト工法: 毒餌を使う方法で、1坪あたり約3,500円〜7,000円程度が相場です。

平均すると、シロアリ駆除の相場は1㎡あたり約3,000円、1坪あたり約9,900円とされています。ただし、これらの価格はあくまで目安であり、実際の費用は業者によって異なるため、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

追加費用が発生するケースもありますので、見積もり時には以下の点に注意してください。

  • 建物の構造上点検が困難な場合
  • シロアリが駆除の難しい種類の場合
  • 木材交換や大工工事が必要な被害状況の場合
  • 床下の湿気対策が必要な場合
  • 駐車場がない場合や休日に依頼する場合

これらの追加費用についても、事前に業者に確認し、総額でどの程度になるかを把握しておくことが大切です。シロアリ駆除は専門的な作業が必要なため、信頼できる業者を選ぶことも重要です。

シロアリ業者を選ぶ際のポイント

シロアリ駆除の業者を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

  1. しろあり対策協会に加盟しているか: 公益社団法人日本しろあり対策協会に加盟している業者は、定められた施工基準を守っているため、信頼性が高いです。
  2. 社歴が長く、豊富な実績を持っているか: 長年の経験と実績がある業者は、多様なケースに対応した技術やノウハウを持っています。
  3. 費用とサービスのバランス: 地域密着型の独自ブランド企業など、費用が安くサービスが良い業者を選ぶことが望ましいです。
  4. 作業内容や点検について丁寧に説明してくれるか: シロアリの知識や住宅の特徴に基づいた的確な施工計画を提案してくれる業者が信頼できます。
  5. 追加料金が発生しないことを明言しているか: 施工後に追加料金が発生しないことを明言している業者は、予算内で安心して依頼できます。
  6. 保証内容が充実しているか: 施工保証や修理保証、保証期間が適切に設定されている業者は、アフターサービスも安心です。
  7. 詐欺業者の特長を知っておく: 営業電話や訪問販売で即時契約を迫る業者や、料金が極端に安い業者には注意が必要です。

これらのポイントを踏まえて、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

シロアリ業者に依頼するメリットとデメリット

シロアリ駆除を業者に依頼する際のメリットとデメリットをご説明します。

メリット

  1. 高品質な駆除剤の使用: 業者が使う駆除剤は高品質で、市販の駆除剤よりも効果的です。市販の駆除剤は一時的な効果になりがちですが、業者の使用する薬剤は持続的な効果を発揮します。
  2. 正確な薬剤の使い方: 業者は薬剤の使い方を熟知しており、シロアリに効き目があまりなかったり、人間やペットに影響が出たりするリスクを最小限に抑えます。
  3. 専門知識と技術: 業者はシロアリ駆除の専門知識と技術を持っています。正確な診断と適切な対策を提供できます。

デメリット

  1. 費用: 業者に依頼する場合、費用がかかります。ただし、長期的な視点で考えると、家の被害を最小限に抑えるためには適切な投資と言えます。
  2. 信頼性の問題: 悪徳業者も存在するため、信頼性を確認する必要があります。しろあり対策協会に加盟している業者を選ぶことで信頼性を高めることができます。

シロアリ駆除業者を選ぶ際には、信頼性や実績、料金などを慎重に考慮し、適切な業者を選んでください。

自分で行うシロアリ駆除

シロアリ駆除は専門的な知識と技術を要する作業ですが、状況によってはDIY(自分で行う)方法もあります。ただし、自分で行う場合は以下の点に注意してください。

  1. 安全性の確保: 床下など狭く暗い場所での作業には、適切な服装や保護具が必要です。また、薬剤を使用する際は、取り扱いに十分注意しましょう。
  2. 正しい方法の選択: シロアリの種類や被害の程度に応じて、ベイト工法やバリア工法など、適切な駆除方法を選ぶことが重要です。
  3. 効果的な薬剤の使用: シロアリ専用の薬剤を使用し、適切な量と方法で散布することが効果的な駆除につながります。
  4. 専門業者への依頼を検討: DIYでの駆除が困難な場合や、確実な駆除を望む場合は、専門のシロアリ防除業者に依頼することをおすすめします。

自分でシロアリ駆除を行う際は、事前にしっかりと情報を収集し、自身の安全を第一に考えた上で作業を行いましょう。また、作業に自信がない場合や、床下などの環境が厳しい場合は、無理をせずプロに依頼することが最善です。

まとめ

白アリは、住宅にとって大きな脅威です。早期発見と適切な対策が重要であり、予防が最も効果的な方法です。白アリ被害に遭わないためにも、定期的な点検適切な対策を心がけましょう。

弊社は空き家専門の不動産会社です。お客様のご要望に合わせた「安心」「丁寧」なサポートを心がけております。シロアリ被害にお困りの方、空き家に関するお悩みがある方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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この記事を書いた人
野瀬 航平
野瀬 航平
株式会社アンモライト代表取締役/ノア行政書士事務所代表
1995年3月生。中学校教員を勤めた後、学生時代のアルバイト先へUターン。日本一のカラオケ企業を志すも失敗。▶不動産業で再スタートし、大手賃貸仲介・管理会社から、士業連携の売買仲介・コンサル会社を経て起業。▶相続放棄された地方の空き家を再生し、利回り30%で運用中。■保有資格: 行政書士/宅地建物取引士/FP2級/賃貸不動産経営管理士 ■第35回SASUKE出場
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